中野と対話レポート

【15分で読める】 中野サンプラザ再整備に関する 「中野区長・定例記者会見」 文字おこし(簡略版)

この記事を書いたのは
みんなの中野
「みんなの中野」は、中野のみんなのものです。 年齢や立場を超えて、中野に住んでいる誰もが、もっと中野を好きになれるように。 「対話の中野」を実現させたい。区民の声をしっかり聞いてもらいたい。中野をもっと知りたい。 あなたと区政をつなぐ架け橋になる「みんなの中野」、始めます。

2018年9月18日中野区長定例記者会見動画の簡略版です。
※読みやすくするため文章を簡潔に編集しています。正確な文章は完全版で補完ください。気になる箇所はご指摘ください!

区長
区長
本日は中野駅新北口駅前エリアの再整備/中野サンプラザ開発について、説明します。
(各種計画は)区民の皆さんの声を聞き、議論するプロセスを踏んだ上で、今後の方向性を示していきたいと考えていました。
今回、一定の意見集約や議論検討を得て、現時点での考え方をお伝えします。

1.就任後、区民との対話の機会、区民の声

区長
区長
区長就任後から多数、区民との対話の場を設けて意見交換を行いました。
メールなどにも声が寄せられ、個人的な意見交換会も3回ほど開催しました。


2.中野駅新北口駅エリア再整備の課題を3つに整理

区長
区長
様々なご意見と中野駅新北口駅エリア再整備に関する課題整理を行い、「主な課題」として3つに集約しました。

課題①「駅西口改札等の整備計画への影響、財源確保」

区長
区長
現在進行中の中野駅周辺各地区整備と密接に関連していて、それぞれの進捗にお互い影響があること、特に駅西口改札は駅周辺開発が前提となっている。
また、中野区役所新庁舎を整備する上で、財源確保からもやはり必要である。

課題②「中野サンプラザ自体の老朽化」

区長
区長
サンプラザ開業から45年が経過。施設更新時期を迎えていて、存続させた場合も、長寿命化工事も負担が大きい
区の試算では、仮に15年持たせるとした場合32億円ほどかかる。一方でサンプラザを取得する際の借入金が44億円ほどまだ残っており、サンプラザ自体の今の収益収支は毎年およそ2.5億円の利益。単純計算すると、借入金を返しながらの長寿命化工事は経営的に厳しい。

課題③「現在不足しているユニバーサルデザイン」

区長
区長
ユニバーサルデザインのまちづくりが必要。中野駅周辺は非常に高低差があり、歩行者空間が充分ではない現状。駅にエレベーターがないという課題も。
誰でも利用しやすいまちづくりをしていかなければいけない。中野は子連れで来にくいというご意見もある。今後、中野区を子育て先進区へと変えたい。駅周辺、子育て中の皆さんにも当然使いやすくなることが必要。
以上3点の課題と結論から、新区役所・新北口駅前広場整備などの再整備を推進していく。

3..中野駅新北口駅前(中野サンプラザ)をどう再整備するか

区長
区長
赤い線で囲っている「中野駅新北口駅前エリア」、駅前広場や新たな建物を一体的に整備する計画。「土地区画整理事業による街区再建」の他、新たに生み出される敷地によって事業費を賄う「市街地再開発事業」も想定している。
将来にわたって人々の交流と賑わいに満ちた、区民の誇りとなるシンボル空間の形成を目指したい。サンプラザのDNAを継承する新たな文化発信拠点を整備するため、民間活力を活用したプロジェクトを推進。再整備後の施設は区ではなく、民間経営を想定。
区長
区長
中野サンプラザについては、
(1)歴史に残る数々のコンサートが行われてきたこと、多くの人々の交流の場として利用されてきたこと等、歴史や実績の記憶を大事にしたい。複合施設の先駆けと言われてきた複合機能も残す。
(2)パッと見で印象に残る形。非効率的な建物では事業採算性にも影響あり、そっくりそのままは難しいかもしれないが、三角形をモチーフに用いる等、様々なアイディアを集めたい。
(3)「中野は分からなくてもサンプラザと言えば知っている」ブランドとなっている「サンプラザ」の名前。
この3つのDNAを引き継ぐことを前提に、区民会議等で新たな中野のサンプラザを議論していきたい。
区長
区長
これまでサンプラザによって街の文化が醸成されてきたように、今後も街を成熟させていくためのホールやコンベーション機能は必要だが、「どのような情報やコンテンツを発信していくか」「施設形状はアリーナ型かホールか」1万人という規模は本当にこれでいいか」多角的検討を進める。
今のサンプラザの使われ方を見ると、ホールでのコンサートは特定層の集客、普段一般の皆様に使われているのはバンケットや会議室。広場も様々なイベントで使われている。交流と賑わいに満ちた空間にどのような集客交流施設がいいのか、皆さんと議論していきたい。

4.中野駅の整備見通し、今後の予定

区長
区長
中野駅の利用者は「中野四季の都市再開発」以降増加、今後も駅周辺のまちづくりによって増加を予測。
機能的で利便性の高い交通空間を実現するため、「駅西側の南北通路」「橋上駅舎の整備」「駅前広場の整備」を着実に進めていかなければいけない。西口改札の早期開設に向け、JR東日本と連携して取り組み中。エレベーターなどのバリアフリー化も目指したい。
区長
区長
中野駅新北口駅前エリア再整備事業計画」「新サンプラザ素案」について、2019年3月を目途に公表できるよう検討を進めます。

記者との質疑応答「なぜこのタイミングで発表?」等

記者
記者
サンプラザの「民間の再開発事業/民間売却」とは、定期借地権利長期付きで貸すのではなく、土地とサンプラザを売却するのか?
区長
区長
これからしっかりと試算する。他の自治体でも長期定期借地権付きで貸す場合と売却する場合がある。何れにしろ、区役所の建替費用はこの開発によって生み出されることが重要。
記者
記者
区役所とサンプラザの土地と建物を合わせて試算450億円。新区役所の建設費221億円+サンプラザ借入金44億円、売却でも定期借地でも処分すれば黒字では?
区長
区長
今の試算ではそのとおり。仮に売却した場合も残ったお金はどうするのか、土地を残すのか権利を残すのか、色々なやり方があるので、細かく試算をしている。
記者
記者
再整備といっても実質「取り壊し解体」では?
区長
区長
今までサンプラザが担ってきた機能を改めて検証しつつ新しいサンプラザにするという想い。一度壊して新しくつくる。
記者
記者
民間案では「超高層ビル・ホテル・マンション」等も出ているが、(オリンピック後オリンピック村にタワーマンション/2022年に生産緑地法満30年を迎え都内農地宅地化/高層マンションの高い階は海外投資家や相続税対策利用、等の可能性を考えると)駅前の一等地が空洞化する危険性がある。
3つの理由は理解したが、長い目で見た場合、本当に区民のための再開発になるのか?
区長
区長
ご指摘のとおり。「今後東京がどうなっていくか」「中野をどういうまちにしていくか」が非常に大きな影響を持つ。
リスクは民間になるが、ホール集客機能の規模や中に入れる機能を前提にする等、今後区民会議で議論したい。駅前が空きテナントだらけとなってはいけない。
記者
記者
先日の議会でこの話を明らかにされ、このタイミングで改めて発表になった理由は? 解体時期は2024年頃で変わりないか?
区長
区長
まだ区民の意見をすべて聞いていないのではという指摘もあった。
「残してほしい」という声も沢山あり、「早くユニバーサルデザインを」という声も沢山ある。最初に説明したとおり、様々な皆さんのご意見を伺い、その中で「やはり中野駅西口改札はとにかく急がなければいけない」「都市計画手続きを考えると遅らせるわけにはいかない」と判断した。
現在のところ、新区役所の竣工は2023年度を見込んでいる。2024年から現庁舎の解体、サンプラザについてもその前後と考える。ただ、整備工程も建てる内容も決まってないので、検討を進める中で詳しい時期を見極めていきたい。
「このスケジュールは前後する可能性が高い」

 

記者
記者
計画再建に向けて、有識者会議などの予定は?
区長
区長
区民会議で議論を進めたい。
記者
記者
区民会議や私的な説明会等、議論する場の予定はあるか?
区長
区長
区民会議はこれまで6回開催。次の7回目から10回目まで、4回で議論を進めていきたい。その他タウンミーティングやHPでの意見募集も行いたい。
記者
記者
設計業者が策定支援業務を請け負うのか、外部企業が委託するのか?
区長
区長
建物詳細は「公募プロポーザル」という形で募集、区民会議の意見を踏まえて3月に区が考え方を出していく。今すでに協力事業者さんもいるが、新たに業者選定する。
記者
記者
区長としてどういったまちづくりを描いているのか? まちづくりの検討に関わっていたURさんとの今後の協力関係は?
区長
区長
従来計画には色々な機能が入っていた。将来的な中野のビジョンにとって必要なは議論を深めていく必要がある。民間ベースなので一定程度民間の採算視点の判断も入る。
中野にはホテルが少ない。サンプラザホテルは稼働率が非常に高く90%越える。ホテル機能は必須。
会議室や宴会場は連日中野区民の皆さんで賑わっており、維持していく機能として認識。
今2000人規模のホールである集客交流施設、自分の感触としては「1万人は大きいのでは」と思っているが、実際のホール経営者等に意見を伺い、中野のビジョンとしてどの規模がいいのか再度議論したい。
今後中野を子育て先進区にしたいが、今の駅周辺に子育てに関する施設は全く無い。「親子が楽しめるようなものを」という声も沢山聞く。サンプラザに入るかは別として、駅周辺全体のまちづくりで考えていきたい。
現在進んでいる南口開発、当然URさんとも「駅周辺のまちづくり」という観点で、今後もしっかり連携して進めていく必要がある。
記者
記者
民間活力導入、現状区が出資している会社が土地建物を所有しているが、開発も運営も民間に任せるメリットは?
区長
区長
財源等のメリットもあるが、駅前の大規模再開発に、民間ノウハウを最大限活かせることが一番大きい。行政の開発で成功事例がない。
記者
記者
中野駅はアクセスも良く、来外者や外国人などの訪問も見込める。どのように集客していきたいか? 民間委託に何を期待しているのか?
区長
区長
オリンピックを控え、観光客は今後まだ増えていく可能性がある。中野ブロードウェイ等、外国人の来外者が非常に増えている。
建物だけではなく街全体がグローバルに対応し、新サンプラザだけではなく駅周辺全体のコンセプトで答えていく必要があると考える。公共サインもまだ整備できていない。
また、中野の飲食店街、魅力的な集積をしているが、来外者・外国人の方にうまく対応できていない。様々なソフトもハードも含めて来外者の皆様をお迎えするまちづくりが必須。
民間委託であっても「中野駅周辺がどういうまちで、どういう人たちに愛されたいか」区としてビジョンを持っていかなければいけない
サンプラザ開発以外にも、駅周辺のプロジェクトが沢山進んでおり、まちのコンセプトに基づく全体的な取りまとめは行政の仕事。住民・区民の皆さんとともにまちづくりをしていくという意味で「来外者が増えればいい」というわけではない。中野区の区民の皆さんが、このまちを誇りに思って、駅周辺にも区民のみなさんが沢山集まるまちづくりが必要。
記者
記者
田中前区長の下で進められた従来計画、区議会で自民党と公明党は従来方針だと思うが、立憲民主党や共産党は今回の再整備について合意ができているのか?
区長
区長
再開発は進めるべきと考えを話している。
記者
記者
自分もサンプラザの中は階段が多いと思う。区長の視点でサンプラザに思うところは? 
区長
区長
(区長としては)サンプラザ自身の借入金がまだ残っていて、収益では大規模修繕も含め、今後ペイできないのが大きな課題。
私自身もサンプラザは極めて多用、地下のジム会員で職員時は毎日利用、今もたまに朝泳いでいる。宴会場や会議室、頻繁に使っている。コンサートやイベント等でホールにもよく入っている。そんな愛用者目線でも、施設の老朽化は感じる。プールへ行くにも本当に階段が多い。バリアフリーも難しい。
機能がより使いやすくなることで、もっと区民の皆様に愛される施設になるはず。
ホールの音響については非常に良い評価を耳にする。山下達郎さんがサンプラザで必ずやってくださる等、ホールの規模や環境がちょうど良いという声もある。しかし音響施設は更新していかないと現状維持も大変と聞く。そういった点も含め、施設自体を更新していきたい。
記者
記者
三角形をそのまま残すのは難しいと思うが、どういうところを残していきたいか?
区長
区長
具体的なイメージはないが、例えば歌舞伎座は1階フォルムを残して建てている。そうしたイメージを残す方法もある。皆さんのお知恵が欲しい。区民会議だけでなく、本当に色々な人から意見をいただきたい。
記者
記者
区長選の「立ち止まって考える」という公約が一部の支持を得たと思うが、「前区政と変わらないのでは」と感じる区民をどう思うか? 区民会議や民間業者の参画、行政としてまちづくりをどうリードしていくのか?
区長
区長
選挙公約で「新サンプラザを」と書いたが、サンプラザを残してほしい声も聞き、「残す」「残さない」どちらにしても数字で議論する必要があると感じた。
6月選挙で区長就任後すぐ「サンプラザ解体前提とする案を出す」と(前区長下での)当初予定があったが、そこは止めた。
その後6月から3ヶ月間、出来る限り区民の皆様の意見を多く聞きたいと機会を設けた。
「西口改札を進めるには9月で方向性を出さないとまずい」という検討結果に至り、今皆さんに説明している。
一定程度の方向性を描く駅周辺のまちづくりグランドデザインは出来ている。必要に応じてグランドデザインの修正もしていくが、今後はそれをまちづくりの基本構想としながら、区民の皆さんと一緒に詳細を進めていきたい。
この記事を書いたのは
みんなの中野
「みんなの中野」は、中野のみんなのものです。 年齢や立場を超えて、中野に住んでいる誰もが、もっと中野を好きになれるように。 「対話の中野」を実現させたい。区民の声をしっかり聞いてもらいたい。中野をもっと知りたい。 あなたと区政をつなぐ架け橋になる「みんなの中野」、始めます。

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