区議会の傍聴レポート

どうなる!?3/23(火)区議会本会議!自民・公明・都ファが「基本構想検討案」の採決を拒否

この記事を書いたのは
区民の声・中野
「安心して子育てできる、ずっと住み続けられる中野」を目指し、2018年6月の区長選挙を前に「区政を変えたい」と願う区民で結成した政治団体です。2022年の区長選挙前には「区長のつうしんぼ」を作成。酒井直人区長二期目当選嬉しい!酒井直人さんと締結した政策協定の内容実現に向け、自主ゼミしたり、区議会ウォッチングしたり、情報発信したり。現在の会員は200名ほど。あなたも会員になりませんか?

中野区の「令和3年度予算」が3/11に可決されましたが、なんだか雲行きが怪しいのです。ぜひ中野区の皆さん、読んでください!

中野区の「令和3年度予算」3/11に可決

コロナの影響で税収などの歳入が71億円減る見込みでしたが(9月には92億円減収の試算もありました)

見直しできる71の事業を延期・中止をして、54億円の歳出削減へ。

区民の命や生活を守るための予算を堅持するために昨年67億円あった積立金を昨年より13億円減らし、貯金していた財政調整基金を69.5億円崩して

 

「待機児童対策」「生活保護の拡充」「修学援助の拡充」などを予算化しました。

 

健康福祉費15億増!(目的別)、扶助費22.7億増!(性質別)の、区民生活を守る予算です。 英断だったと思います。

一方で、国庫支出金を20億増やしてまちづくり推進を進め、特別区債を20.5億増やして新庁舎整備を進める予算。賛否のある点だと思いますが、区民生活を守る予算を削ってまちづくりや新庁舎整備を進めるという形ではありません。

区議会での論戦を超えて、無事に可決された予算ですが、その後まさかの事態へと続きます……。

まずは可決前、中野区議会での予算についての論戦

ワクチン接種計画について

ワクチン接種計画については、与野党問わず建設的な議論がされました。

保健所体制強化・在宅療養者への支援についても会派を超えて進めるべきとの論議。PCR検査について、立憲・共産が以下を提起しました。

・PCR検査、民間機関との連携は可能か? 無症状感染者の発見を含めた検査戦略をどう持つのか?(森たかゆき区議)・
高齢者施設従事者への検査を(森たかゆき区議)
・PCR検査無症状感染者の把握が大切。高齢者施設・介護施設・保育施設・医療機関の職員が定期的に検査受けられる体制を(羽鳥だいすけ区議)
・区民へも安価もしくは無料で検査できる体制を(羽鳥だいすけ区議)

予算について

気のせいでしょうか、自民党は、酒井区政攻撃だけでなくロコツな前区政礼賛を始めているように見えます。

以下に、議会傍聴時に気になった発言を記載します。

・コロナ下で税収減、前区政のように経費絞っておけば問題なかった(大内しんご区議)
・構造改革といっても小粒だ(大内しんご区議、伊藤正信区議)
前田中区政は保育園民営化・図書館指定管理化などで人件費を100億円減らした(大内しんご区議、伊藤正信区議)※その分委託費は増えています。
・財調基金を取り崩さないで構造改革進めると言ったはずだ(内川和久区議)
・基金減らして景気が上向かなかったらどうする(いでい良輔)
職員定数条例2000人を令和5年から2100人なんて、施政方針と矛盾する!(内川和久区議)根拠なく定員増やすと財政を圧迫する(いでい良輔区議)※児童相談所開設で区の職員増は当然ですよね?
・小中学校建替えを年2校から年1校へ変更、70年持たせるのはどうなのか(大内しんご区議)
・中野区の魅力は「タワマンが立つ職住接近のまち」だ(内川和久区議)
・重点課題は「子育て先進区」「地域包括ケア体制」に加え「まちづくり」。応援されている人たちの言葉を真に受けずに反対あっても進めよ(いでい良輔区議)
前区政で進めた施策を中断したり見直したり、埋没費用はいくらか?(高橋ちあき区議)※見直すべきでなかったということでしょうか? 区民の声を聞いて中止したものもあります。
基本構想と基本計画が決まっていないのに、予算計上できるのか?(高橋ちあき区議)※大問題の質問です。基本構想が継続審査になったら、基本構想に記した新規課題の予算執行は止めろということ?
・区民サービスを優先すべきだが、基準財政規模を超えた歳入は財調積立すべき。(木村こういち区議)義務教育基金を積み立てなかったのはなぜか?(南かつひこ区議)※今、コロナ対策など、財政調整基金を取り崩している状況ですよね……。

今この瞬間に苦しんでいる区民がいたら、財政を出動するのが行政としての仕事です。区の財政は区民のためのもの。財政調整基金は、自治体が財政面で急にきびしくなった時のために積み立てておくものです。今使わないでいつ使うのでしょうか?

コロナ対策による財政のひっ迫、区の認識では令和12年ごろまで続くとのことでした

立憲と共産は区を叱咤激励していました。

・コロナで税収減、構造改革を進めているが、各部からの予算要求が少なかった。区職員のマインドがシュリンクしてはいけない。区民サービスを進めるための構造改革へ。都へ交付金拡充を求めるべき。(酒井たくや区議)
・今回、区は事業や内部業務の見直しを行うことで経常経費の削減に努めたと同時に、必要な区民サービスを維持するために財政調整基金からの繰り入れも積極的に行ったものと評価(羽鳥だいすけ区議)
・就学援助拡充を評価、平和の門の保存活用と文化財指定方針を評価しました そのうえで ・生活保護ケースワーカー業務委託の違法性を指摘(浦野さとみ区議)

予算は可決されたのに、まさかの大変な事態が!!!

なんと。

先日の総務委員会で、自民・公明・都ファが「基本構想検討案」の採決を拒否、継続審議と言い出しました。

総務委員会の構成上、自民2公明2都ファ1で過半になるので総務委員会としては継続審査という結論に。採決を主張したのは立憲・共産・立石区議です。

この後、3/23(火)本会議で継続審査とするかどうかが採択され、無所属の5人(小宮山・近藤・武藤・石坂・いながき区議)が採決すべきという態度に出れば採決されます。が、誰かひとりが継続審査に同意すると6月の2定に繰越になります。

すでに区民の意見交換会を何度も行い、区議会でも説明してきたのに、なんで今頃そういうことになるのか? その狙いは?? きわめて党利党略的なにおいがします。

論点の一つ目は基本構想の内容、二つ目は児童館について。そして三つ目、どうやら結局、予算と関係してくるのです。

どうなる基本構想!?① 「基本計画」や「区有施設再整備計画」

基本構想は9月に提案され、意見交換会もパブコメも済んでいます。あとは今回の区議会1定で採決する予定でした。

自民公明が文句を言っているのは「基本計画」や「区有施設再整備計画」についての内容。

今回の区議会1定で提案されたばかりで、これから意見交換会やパブコメで議論を進めたうえで8月に決定の予定でした。内容に意見があるなら6月の区議会までにきちんと議論すればいい話です。

「基本構想そのものに大きな問題がある」という指摘はないのに、なぜ「基本構想」を継続審査にしようとしているのでしょうか? 基本構想を継続審査にしたいのなら、基本構想の文面についての大きな問題点を指摘しなければならないはずです。基本構想を人質にしている感じがします。

どうなる基本構想!?② 児童館について

先日の総務委員会で、とんでもない発言を聞いてしまいました。

自民の大内しんご区議「前区長は児童館全廃なんて言ってない」「「基本計画3次」にはそんなこと書いてない」「前区長が廃止した児童館なんてないだろ?」

あたかも酒井区政が初めて児童館の廃止(=9館配置)を計画したかのように演出しようとしていました。

酒井たくや区議が「児童館全廃は基本計画2次(前区政のもの)に実質的に明記されています。3次にはなぜか文言がなくなっていますが」「そのあとも児童館を順次廃止していく計画で進められていました」と論破されました。

「酒井区長になって初めて児童館を廃止しようとしている」という絵をつくることが狙いだと思います。現在、「児童館は中学校区にひとつ」という方針が出されていますが、それは「将来」という設定です。小学校統廃合が進行中なので、学童クラブを残す関係で9館以外にも残る児童館が発生します。今後の児童数や学童クラブへのニーズも勘案しながら進めていかないといけない課題です。ですので5年後までの計画を出し、その先は状況を見ながら進めていくという現実的で妥当な進め方になっています。

そもそも児童館全廃方針で動いていたのは前区長と自民・公明。児童館の経過について、きちんと区民が知っていくことはとても大事になりそうです。

経緯について、こちらにまとめました。

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どうなる基本構想!?③ 予算の執行について

「基本構想」が予定どおり議決されなかったら、「基本構想で位置づけられた新規事業の令和3年度の予算執行ができるのか?」という声が浮上してきそうです。

上記の「気になる発言」に記したとおり、自民区議の「基本構想が決まっていないのに予算執行できるのか?」という質疑がありました。

タウンミーティングやパブコメなどで、区民の声を聞きながら作ってきた基本構想とそれに基づく予算。可決されたにも関わらず、予算の執行を止めたいのでしょうか。酒井区政に実績をつくらせたくないのかもしれません。

3/23(火)13:00~の区議会本会議に注目です!

この記事を書いたのは
区民の声・中野
「安心して子育てできる、ずっと住み続けられる中野」を目指し、2018年6月の区長選挙を前に「区政を変えたい」と願う区民で結成した政治団体です。2022年の区長選挙前には「区長のつうしんぼ」を作成。酒井直人区長二期目当選嬉しい!酒井直人さんと締結した政策協定の内容実現に向け、自主ゼミしたり、区議会ウォッチングしたり、情報発信したり。現在の会員は200名ほど。あなたも会員になりませんか?

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