昨日8/22、立憲の齋藤ゆりさんと河合りなさんが主催したZoom講演会に参加しました。とても良いお話を伺えたので、ここでも共有したいと思います。
メインは講演です。(長いです。でも内容は濃いです。)
コロナ禍が子どもに与える影響 朝、行きたくないと言われたら??
宮城学院女子大学教育学部 教育学科幼児教育専攻 教授:足立智昭さん
・震災による子どもの心の問題の推移の紹介があり、震災5年後くらいで小中高校生の不登校が顕著に増え、5年後から小学生の教師への暴力(!)が増えているという衝撃のデータも紹介されました。
・不登校は、まずストレスで心のエネルギーが不足する⇒学業に心のエネルギーが向かなくなる⇒授業が理解できない⇒学業不振になる⇒不登校になる という要因で起こるとのこと。まず、「ストレスで心のエネルギーが不足する」ことから始まるというのは「そうだったんだ!」と思いました。
・小学生が教師へ暴力をふるうのは「かまってほしい、注目してほしい」サインであり、「甘えたい」という気持ち。家庭で親に甘えの気持ちを向けられないときに教師に向かう。これも「そうだったのか!」です。
・こうした震災の子どもへの影響は、コロナでも同じことが起こる。「ひぇ~!」です。
・緊急事態宣言の発令や外出自粛などにより、子育てや生活で困ったことのアンケート結果の紹介がありました。そこでは、子どもとの過ごし方に悩む(70.7%)、親の心身の疲労(53.8%)、生活や育児の費用の心配(20.2%)がトップ3です。「1歳の子のぐずり、7歳の子のチックがひどくなり、5歳の子が奇声を上げるようになった」「在宅ワークで、子どもはテレビとYouTube 頼みになった」という声も。
・緊急事態宣言により子どもの生活も一変しましたが、親から見て気になることは?という問いには、メデイアの利用が増えた(61.8%)、生活が不規則になった(43.5%)、体力が低下した(38.2%)、兄弟喧嘩が増えた(33.6%)がトップ4です。
・緊急事態宣言の発令や外出自粛などにより、家庭に大きな負担がかかっていますが、家庭内で普段と異なる感情を抱いたり、行動をとるなどのご自身の変化を感じたことは?という問いでは、イライラして怒りっぽくなった(63.3%)、子どもを叱ることが増えた(51.4%)外出するのが怖くなった(30.2%)、感情をおさえられないことがあった(22.8%)がトップ4です。
「とにかく疲れる、とにかく不安」「不安から疲れが取れない」「子どもを叱り自己嫌悪になることを繰り返している」「一人になりたくてたまらない」という声も。 コロナ禍が子育て世代と子どもたちに与えたストレスの大きさがわかります。
・「子どもにとって、メディアの利用増加は脳の疲労になる。4時間YouTubeを見てると2時間勉強しても効果はゼロになる」という衝撃の事実が!オンライン授業は大学でも50分が限度(通常90分)とのことです。
・「生活が不規則になるのは、子どもにとって大きなストレス。早寝早起き朝ごはんを取り組んでいる地域の学力テストの成績はいい」という、これも衝撃の事実が!
・「小さい子は身体を動かすことが『快』、走り回ることは特に幼少期の子どもに不可欠」という「そうだよね!」というお話も。 こうしてみると、「外で遊べない、生活が不規則になる、動画ばかりみている」という生活の変化がこどもたちにいかに大きなストレスを与えているのか?
そして震災後の事例を見ると子どもたちへのストレスへの反応は4~5年後に出てくる…これはえらいことです。
ではどうしたらいいのか?
・まず、「子どもにわかりやすく説明をしましょう。幼児でもわかります。」正しい情報を、ごまかさずに、率直に、子供の年齢にあった言葉で、一回にひとつづつ、イラストなどを使って。とのことです。悲惨なニュース映像や動画はあまり見せないように、幼児は外国や過去の映像でも今ここで起こっていることだと思い込むそうです。
・次に「安心と安全を保障しましょう」規則正しい日常生活を維持して、子どもと一緒に考えて、外で遊ぶとき・テレビや動画をみるとき・感染予防のためなどのお約束を決めましょう。
・そして「子どもの気持ちを聴きましょう」、そのとき「どんな気持ちでも伝えていいよ」「お風呂にはいってるときでも、お絵かきしながらでもいいよ」と伝え、子どもが話始めたら、どんな気持ちでも否定しないで、「いやだったんだね、そう思ったんだね」と伝え返して、辛くても子どもなりに頑張っていることをほめることを! すごい実践的アドバイスです!
・最後に極めつけは「ストレスを抱えた子どもへの声かけNG集」 グサグサきます。お覚悟を。
×「~したんだって?」事実を確認しないで決めつける
×「なんでそうなの?」自分の感情で子どもを非難する
×「~しないなら、~で遊べないよ」ものごとを否定的に関連付ける
×「この前もやらなかったでしょ」過去のことを持ち出す
×「勝手にしなさい!」本当の気持ちと反対のことを言う
×「あなたが~だから、こうなったのよ」言い訳を言う
×「それは、こうやるといいんだよ」自分の経験で問題解決をしてしまう
×「いいよ。でも、これはだめ、ここはだめ」肯定してから否定する
そして、ソーシャルディスタンスを強いられても、経済的に不安でも、家族の関係性を貧しくしてはいけない! というメッセージで講演が締めくくられました。
もっと多くの人に、特に子育て世代の人たちに、子どもに関わる人たちに、聞いてほしいと心から思いました。
貴重な会の企画開催をありがとうございました~!